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少し話は変わりますが、今回の舞台はテレビ局なのですが、どうしてテレビ局を選んだんですか? |
| 【S】: |
女性がわりとイキイキと働いている職場というと、やはりマスコミかなと。一般企業のOLだと、なかなか笑美子のようなキャラクターは、存在し得ないかなと思いまして。一番選んだ理由として大きいのはエピソードが作りやすいということですけど(笑)。 テレビ局の報道記者として事件現場に行く形にすると、キャラクターを行動させやすいので。また、テレビ局のことを多少知っていたというのも大きいですね。知らないことは描けませんから。たとえば商社のOLがどういう行動をしているかなどは……。多少なりとも現場の匂いというのを知らないと。「あすなろ白書」のような普通の大学生の生態は描けますけどね。むしろ普通のOLの行動は描けないかも……。 |
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そういえば柴門さんの場合は、大学からOL経験なしで、プロになられているんですよね。最初は弘兼憲史さんのアシスタントをされていて……。
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| 【M】: |
ものすごいビッグカップルですよね。 |
| 【S】: |
いえいえ、付き合い始めた当初はただの貧乏な二人でしたよ。 |
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もし失礼でなければ、二人の出会いのいきさつを教えてください。
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| 【S】: |
出会いはドラマチックですよ。わたしは、大学の漫画研究会で部長をしていたんです。東武東上線の大山駅に、わたしの大学の寮があり、その寮の漫研の子が電車の中で漫研の同人誌を読んでいたのを、同じ沿線の成増駅に住んでいて、自分の仕事場に通えるアシスタントを探していた夫が見かけまして。その時は、その子に声をかけずに帰ったそうなんですよ。でも、その日家に帰って新聞を見たら、「家庭教師募集します。(御茶の水女子大学・大山寮)」という広告と、大学の寮の電話番号が載っていて。それで即座に彼が大山寮に電話をして、「漫研の人につないでください!」って言ったんです。そこには漫研の子がいたんですが、自分は後輩だからよく分からないので、部長につないでください、ということになり、寮に住んでいずに、当時の自宅に住んでいたわたしに電話がかかってきたんです。「同人誌見せてください」って。最初は編集者からの電話だと思って、ドキドキしたんですけどね。
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スカウトだと思って……。 |
| 【S】: |
「よっしゃ」って感じですよね。それで喫茶店で待ち合わせをして、会ったんですよ。「じゃあ、原稿を見せて」と言うから見せたら、「あ、トーン削ってるね」って言うので、「漫画のこと、詳しいですね」って言ったら、「だって、僕漫画家だもん」と言われて。「なんて名前ですか?」と聞いたら、「弘兼憲史」って。でも編集者じゃなくって、ガッカリしていたわたしは、「名前は知らない」って冷たく言い放っちゃいました(笑)。「どんな雑誌に載ったんですか?」と聞いたら、「『ビッグコミック』に載った」と言うんですが、毎号読んでいたのに、全然記憶にない。だからまた「知らない」って。でもなぜか気に入ってくれて、「アシスタントになりませんか?」って言ってくれて……。 |
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何か不思議な縁があったんですね。 |
| 【S】: |
偶然が積み重なってますよね。わたしがもし漫研の部長じゃなかったら、別の人に電話がかかっていたでしょうし。新聞広告に大山寮の電話番号が載っていなかったら、夫は電話をかけていなかったでしょうし。 |
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出会った時の二人の会話を伺っていると、恋愛にならなさそうな感じもありますが……。 |
| 【S】: |
そうですよね(笑)。年も10歳違いましたし。その当時わたしは20歳でしたが、彼は30歳でしたよ。でも、わりと最初から気は合いましたね。話しやすい感じで……。 |
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やっぱり縁というのはあるのかもしれないですね。そうしてその縁からご結婚されて、今はお子さんが二人いらっしゃるんですよね。
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| 【S】: |
ええ、息子と娘が。息子が今高校生。娘は今大学生ですね。息子は男子校に通っていますね。
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でも、男子校だったら合コンとかしそうですね。もしかしたら、彼女もいたりして……。 |
| 【S】: |
いや、いないですよ(即答)。もし合コンに行っても、きっともてないです!(断言) |
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言いきっちゃっていいんですか!? |
| 【S】: |
断言できますね。息子の友達は、彼女がいる子も結構いるみたいですけどね。先日スキーに息子が行ったんですけど、それが男8人で。まったく色気なしですね。「男だらけのスキー大会」って奴ですか? |
| 【M】: |
なんか、泊まっている部屋も酸っぱい臭いがしそうですね。男くさーい臭いが……。 |
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でもお子さんを育てるのも大変ですよね。お二人とも漫画家ですし、ご多忙ですから。 |
| 【S】: |
でも、結構わたしが家のことを重点的にやっていたので、なんとかなりました。 |
| 【M】: |
以前、わたし柴門さんに手料理をごちそうになったことがあったのですが、やっぱり主婦業もちゃんとやってらっしゃるんだなと思いましたよ。柴門さんくらいのビッグネームになると、家のことをやる余裕もないかなと思ったんですが……。 |
| 【S】: |
毎日、ちゃんとやってますよ。 |
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執筆がお忙しい時も、そうなんですか? |
| 【S】: |
わたしは午前10時から、午後5時までしか漫画を描かないというスタイルを取っていますので。仕事終わってから、普通にご飯を作れるよう心掛けています。でも、夜時間が空いたら、エッセイを書いたりはしますけど。 |
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お子さんが学校に行っている時間に漫画を描くというスタイルですね。でも、それですと規則正しい生活をしないと無理なのでは?
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| 【S】: |
そうですね。これは結構つらいです(笑)。 |
| 【M】: |
毎日6時に起きてお弁当を作ってらっしゃいますしね。 |
| 【S】: |
やっと息子の高校が冬休みに入って休めると思ったら、今度は塾の冬季講習会が。結局朝6時半起きですよ。 |
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でも、娘さんのほうは大学生ですから、多少気楽ですよね。 |
| 【S】: |
今は一人暮らししていますからね。娘はもういいんです(笑)。 |
| 【M】: |
娘さん、美人ですよね。元・SPEEDの今井絵理子似の。 |
| 【S】: |
今風の顔ではありますね。メイクもファッションも今風なので、街に出ると、娘がいっぱいいるという感覚に陥りますね。
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お子さんが生まれたばかりの時は、大変だったでしょう? |
| 【S】: |
わたしもその時は若かったのでなんとか乗り切れましたけれども、2年くらい、ほとんど育児に専念していた時期はありましたね。 |
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家庭生活を大切にしながら、ずっとクオリティーが高い作品を描けているところが本当にすごいなと思います。 |
| 【S】: |
いやそうは言っても、波はありますよ。油断すると仕事量が増えすぎちゃうんです。オーバーペースになるとクオリティーは落ちますね。
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今、ひと月に何ページくらい、描いてらっしゃるのですか? |
| 【S】: |
そうですね。ひと月2本で、だいたい50ページというところでしょうか? ここ数年はそうですね。 |
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それくらいのほうが今はやりやすいですか? |
| 【S】: |
そうですね。限界ですね。今は、月3本は描けないですね。夫に比べたら少ないですよ。 |
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いやそれでも多いですよ! そんなハイペースでさまざまな作品で女性の抱えるいろいろな問題を描いてきた柴門さんですが、「Kiss」の読者で恋に悩む女性にメッセージを送るとしたら……。
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| 【S】: |
あなたの彼や夫が、田中さんタイプだったらラッキーですよね(笑)。 そうでないタイプの男性と付き合っている女性は、男以外の楽しみを見つけましょう!(爆笑) |
| 【M】: |
今のセリフ、心の中にストンと落ちました……。柴門さんは、仕事も家庭生活も充実していて、うらやましい限りです。ところで、柴門さんも弘兼さんも漫画家なのですが、それぞれの漫画について、講評をしたりしますか? |
| 【S】: |
冗談めかして、無茶な設定の漫画を描いてみたらと言うことはありますね。でも、本気では話をしません。本気で話をしたら大喧嘩になりますよ。とっくに別れています。
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弘兼さんのアシスタントさんをされていた時に、作品的に影響を受けた部分は何かありましたか? |
| 【S】: |
作品の内容については何も言われたことはないです。でも、絵についてはいろいろ言われましたね。また漫画のコマ割りのこととか。「全部のコマに人物が入っているとうるさいから、捨てコマを作れ!」といった、基本中の基本のことを。ただわたしがデビューした時に「もうお互いプロ同士だから、君の作品については何も言わない」ということになりました。 |
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普通どうしても干渉してしまいたくなるところを、干渉しないのが素敵ですよね。
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| 【S】: |
え、そうですか? それは愛がないからじゃないですか? |
| 【M】: |
何を言っているんですか? それは愛があるから、言わないように我慢しているんですよ! |
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最後に「Kiss」の読者のみなさんに、メッセージをいただけますか? |
| 【S】: |
「みんな君に恋してる」、これからの展開から目が離せませんよ! ぜひ見てください!! |
| 【M】: |
コミックスは3月中旬発売ですので、そちらもよろしくお願いします。 |
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どうもありがとうございました!! 「みんな君に恋してる」の次回は、Kiss3号(1月25日発売)に掲載します。お見逃しなく。
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