望月玲子さん インタビュー!
7号からスタートした連載「タケコさんの恋人21」に
全力を注ぐ望月玲子さんに作品への想いを中心に伺いました!
  『タケコさんの恋人』シリーズは、1990年にmimi Carnivalでスタートした作品ですが、タケコさんとしーちゃんが生まれたきっかけはどんなことからだったんですか?
【望月さん】:(以下M)  まずは、几帳面 だけれどもおかしな女というのが描きたいと思いました。
タケコ(猛子)という名前にしたのも、真面目だけれど、ちょっとトボけた感じが出したかったからです。クールで幾つになっても仕事が大好きな女性を描きつつ、その裏側にある人間的な部分をクローズアップさせたかったんですね。それが、ちょうど現代的な女性という符号につながったんですが、それでもその恋においては普遍的な悩みを抱えているというところが話の核になりました。秘書の仕事というある種の教条的な世界に生きる一方で、私生活では、しーちゃんという不思議な魅力を持った男に翻弄される……、まさにカオス(混沌)に生きる快感というのを面 白く表せたらいいなと考えていました。
  2003年にスタートしたOne more Kissでのシリーズ連載『新・タケコさんの恋人』では、タケコさんをとりまく秘書室の女の子達や、語学学校で知り合った個性的な3人の女友達のお話がメインでしたよね?
【M】: 昔から「友人は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」という言葉が好きです。人と係わることで、どうしようもなく生まれる軋轢や誤解すらも、互いの信頼や理解力でもって互いに成長できるような人間関係が、友人達の話を通 しても表せたらいいなと思いました。自由になってきた現代女性が潜在的に持つパワフルさと華やかさ、その裏の逡巡や蹉跌も感じ取っていただけたら嬉しいです。
  今回のKissの連載『タケコさんの恋人21』は、初回からいきなり波乱の展開で、びっくりした読者も多かったようですが?
【M】: でしょうね。まずは衝撃を与えたかったというか、読者をも翻弄したかったというのが表向きの狙いですが、まずは今までとは違うやり方で普遍的な人の心の深い部分をじっくりと掘り下げて、かつ、それを抑制した形で表しながらもドラマチックな展開をさせようと意識しています。『タケコさんの恋人』を始めた当初から、自分としては、時代に流されないテーマを選んでいるつもりです。新しい回路を開きつつ、最後には時代を超えた普遍的なテーマを通 して読者にしみじみと余韻の残る深い感動を伝えることができれば、それが作家としての幸せであり務めだと感じています。
  しーちゃんの弟の翔くんがすごくカッコよくなって登場していますが、彼がキーパーソンになるんでしょうか?
【M】: 翔くんは、根っからの“弟”キャラといったところなんですが、それゆえに複雑かつ無軌道な心理の流れがあって、そこを上手く描ければ、かなりのキーパーソンになってくれると思います。
  作品を描くうえで、いちばん大変なのはどんなところですか? 作画とストーリーの両方の点から教えてください。
【M】: 私にとっては、絵も話も同じように重要です。それでも、あちらを立てればこちらが立たずといったような矛盾した状況が常に生じます。そこで考えるのが、読者の読み方です。色々な心持ちやスピードで読まれるわけですから。
私の場合、幅広いジャンルを手がけているので、少なくともそれぞれの作品のテーマに沿った形でもってペンタッチも演出も変化させる必要があると思って描いています。本来、淡々とした展開や描き方が好きなのですが、漫画の場合、インパクトも重要視されるので、そのあたりにかなり気を遣います。わかりやすいテーマ、もしくは暗喩のように隠されたテーマなど、表し方は様々ですが、テーマこそが私の作品の核を成しているので、やはり最重要だと言っていいでしょう。絵に関してさらに言えば、インスピレーションは無論のこと、根気と集中力の持続が難しいです。長距離ランナー、もしくはトライアスロンの選手になったような気がします。絵が荒れないように、なるべく充分な睡眠を心がけています。
フォトギャラリー
写真1
年々物が増えて狭くなるリビング。照明だけはこだわりアリ。
写真2
チベットのポタラ宮殿の前で見つけた年代物の細密な曼陀羅絵。ほぼ、家宝。
写真3
憧れのプラハで見つけたエッチング画。旅先では必ず絵のアンティーク・ショップに立ち寄る。
写真4
浮世絵國芳: 國芳の浮世絵。モダンな構成と渋い色味が好みで、仕事部屋に飾っている。
写真5
私物で最も新しいHDD内蔵のデジカメビデオと、最も古い(中学時代から使っている)シャープペンシル。
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