海野つなみさん インタビュー!
2006年最初のインタビューは、
24号から新連載「後宮」を始められた海野つなみさんの登場です。
  海野さんは昨年秋にKC2冊、「回転銀河」(4)と「tsunamix 2」を同時発売されて、それを記念して初めてのサイン会を東京で行いました。サイン会のチケットがKC発売当日の夕方には完売してしまうほどの人気で、書店さんたちの話題になっていましたが、まずは初のサイン会のご感想をお聞かせください。
【海野さん】:(以下U)  皆さん、来ていただいてありがとうございました!! …………。
  えっ、それだけですか!?
【U】: いやあ、なんかね。自分にファンの人がいるって、普段実感しないじゃないですか。だからすごく不思議な感じがしたんですよ。サイン会のときは「わあっ!! こんなにたくさんの人が…」ってすごくうれしかったんですけど、終わってみたらまた実感がなくなってしまって。あれは本当に私のファンの人たちだったのかしら〜、みたいな。なんか絵空事のような、日常とは違う感じがするんですよ。
  でも、開始から終了まで4時間もかかって大変だったじゃないですか。
【U】: うん。でも自分じゃ実感ないし、終わってからも4時間も経っていた感じがしないし、ホントになんだか「あれはすべて夢だったのではないか」みたいな気持ちがあるんですよね。不思議。
  すごく感動したっていうファンの人も多かったようで……。
【U】: なかよし時代からのファンの人とかね。長い時間待って…みたいなのがありますから。怖い顔してるなと思ったら、緊張されてたとかね。
  今度はぜひ大阪(地元)で。という声もありますが。
【U】: したいですね。「後宮」のときにね。大阪で。でも大阪は暑いから、真夏はやめましょう。春か秋か……。本当に夏の大阪は蒸し暑くて、蒸し殺される感じですからね〜。まさに「蒸し殺す蘇我入鹿」ですから……。
  えっ、今なんて……。
【U】: えっ、645年、大化の改新。「蒸し殺す蘇我入鹿」ですよ〜。はははは…。
  ははははは……。なつかしい……。では、新連載「後宮」についてお伺いします。もとになっている「とはずがたり」というのは、ずっと描きたかったお話だったんですか?
【U】: う〜ん。ずっと描きたかったっていうか。初めて「とはずがたり」を読んだときに面白いなあって思って、で、「とはずがたり」に関連するほかのいろんなやつ(「増鏡(ますかがみ)」や「弁内侍日記(べんのないしにっき)」など)も読んだんですよ。解説本なんかも。そのときにすごく思ったのが、よく「後深草院が意味不明だ」とか「訳わかんない」とか「猟奇的だ」とかいろいろ書いてあるけど、私には後深草院の気持ちがすごくよくわかって、「違う違う違う……。わかるやん」って。「これはわたしが説明しないとなあ」なんて思って…。そこがこの連載の出発点かもしれないですね。でもまさかそれをそのまま描くとは思ってなくて、最初はこれを現代物に直そうみたいな気持ちがあったんですけどね。昼ドラみたいな感じにして、お金持ちの家で、みたいな。でも、やっぱり何度も読んでいると、この時代・鎌倉時代っていうのがやっぱりちょうど、南北朝に分かれていた時期とか元寇(げんこう)があったりとか時代的に面白かったりして、わあ、なんか現代にしちゃうとそういうところがもったいないなと思って。やっぱりそのまま描こうということになりました。
  いちばん読者に見てもらいたいところはどこですか?
【U】: う〜ん、「とはずがたり」はよく「愛欲絵巻」だの「愛憎入り乱れる」みたいなことを言われるけど、そうではなくて愛情の物語として、ちゃんとこう「血が通 っている人たちの愛情物語」として描けたらいいなと思いますね。
  いきなりですが、眉毛がインパクト大という話がありますが…。
【U】: そう。眉毛ね。あんなに反応あるとは思っていなかったんですよ。みんながひいたっていうか…。完全に麻痺していて。普通 に眉毛はあんなもんだろうって思っていて。ファンの人たちから「眉毛びっくりしました」「あの眉毛はどうかと思います」みたいなのをどんどんもらって、「ひ〜! ああ、わたしやっちゃった!? うそ〜ん」みたいな…。なんかね、中学か高校のときの国語の資料集を持っていて、そこに上村松園かだれかの平安時代の女の人の絵があるんです。それ眉毛がすごい太い絵なんですけど、それがすごい現代っぽくてかわいくって、こんな感じいいな、眉毛太くてもかわいいものはかわいいなあって気持ちがあったから、特に自分の中では周りにひかれることなんてこれっぽっちも思ってなかったんですよね。編集部からも止められなかったし。そうしたら、「えっ、みんなそこでひっかかったの?」みたいな。
  いちばん描いていて大変なところはどこですか?
【U】: 大変なのは、やっぱり、平安時代とか鎌倉時代でも武士の風俗の資料とかはあるんですけど、鎌倉時代で、しかも京都の宮廷のってことになると資料が限られてしまうことですね。たとえば、摂政の人が小さい頃の帝と仲良くしてるっていうシーンでも、じゃあ手鞠かなんかで遊んでるシーンにしようと思っても、手鞠になったのは室町時代以降なので、「あ、手鞠だめ」みたいな。いちいち時代考証があるから大変。
  風俗とか生活とか、たとえばトイレはどうしてたのって、調べるのが大変でしたよね。
【U】: そうそう。舞台とか映画とかみたいに絵空事な感じだけじゃなくて、日常生活をしっかり描きたくって。そうすると、お風呂はどうしてんのかな、トイレはどうしてんのかなとか。まあ、あと根本的にどこでやってるの? 御所さまは…。みたいな。
フォトギャラリー
写真1
連載が始まる前にと、友達と5年ぶりに海外へ。ハワイ、また行きたいな〜。
写真2
初めてのビジネスクラス! 飛行機もホテルも正規の半額。ネット万歳!
写真3
ハワイのビーチで撮った極楽鳥花。
写真4
初めてのサイン会で頂いたお花。来て下さった方、本当にありがとうございました。
写真5
いつもの朝食はホットケーキミックスで作る豆乳パンケーキ。焼きだめして冷凍。メイプルシロップがなくなって、今は紅茶のジャム。
写真6
リビングの一角が仕事机。家中で一番日当たりのいい部屋を仕事部屋に。
写真7
反対側は電脳コーナー。オレンジのポスターは、風水で結婚運と人間関係が良くなるっていうから…。
写真8
ハワイで買ってきたパンテーン・プロVのリンスインシャンプー。面倒臭がりの私にピッタリなので、日本でも発売して欲しいです。
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