海野つなみさん インタビュー!
2006年最初のインタビューは、
24号から新連載「後宮」を始められた海野つなみさんの登場です。
  そういえば、二条との契りのシーンでもいろいろと…。
【海野さん】:(以下U)  そう。大奥とかで、将軍はちょんまげ姿でドーン押し倒す〜みたいな、そんなイメージあるじゃないですか。鎌倉時代もそんな感じかなと思って、一応学芸員の人とかに確認したら、寝るときも男の人は烏帽子(えぼし)をかぶっていたっていう話で。元服をすると、まげを結った姿を人に見られるのは裸を見られるのに等しい行為で、だから絶対に見せないし、寝るときにも寝るための柔らかめの烏帽子をかぶっていたんですって。でもね、絵に描くときに、着物を着て帽子はいいですよ。裸に帽子はどうなんっていう話で。それって、裸にエプロン、裸に眼鏡、裸に靴下的なその世界じゃないのかってことになって。逆にエロいんじゃないかとか。少し議論になったんですけどね。仕事場で。まあ、半分着物着てて、半脱ぎで烏帽子ってのはどう? とか、激しかったから脱げてることにしたらいいんじゃないとか。それはそれでやらしいんじゃないかとか。そんなんで、烏帽子ひとつとってもいろいろと大変なんですよ。
  今の時代からは考えにくいこともありますしね。
【U】: 着物も、十二単(じゅうにひとえ)って一緒くたに言うけれど、平安時代の十二単は華美な方向に華美な方向になんだけれども、鎌倉時代になると質素を旨とするみたいなところがあって、どんどん着ないものが増えてきて。御所さまが着るものでも全部きまりがあるんですよ。例えば上皇が着る直衣(のうし)の色は赤、青、黒の三色で、その青も現代の青とは違って緑がかった青、麹カビの色でとかね。位 によって、着物の柄・模様も大きさとかいろいろ決まっていて。季節によっても違うし。すごくきまりがあるから、カラーを描くのも大変です。きまりがある分、覚えてしまえば楽というのもあるんですけどね。初めはしんどいけど、とにかく全部きまりを守っていれば…みたいなね。だから今は大変です。
  「とはずがたり」はこれからいろんな男性が出てきますが、登場人物の中ではだれがいちばん好きですか?
【U】: 好きっていうか……。やっぱり御所さまかな、でもわたしだったら実兼(さねかね)さまかな、とかいろいろ考えていたんですけどね。描き始めていろんな人の気持ちになって考えてみると登場人物に嫌いな人がいないんですよね。それは、この話を選んで良かったなって思うんですけど。悪役的な人も、主要人物も、みんなの気持ちがわかるし、みんな共感できるところもあるから、あんま好きっていうのは……。
  じゃあ、だれがいちばん自分に似てますかね?
【U】: う〜ん。御所さまかもしれない。すごいひねくれてるから。うん。
  へえ。
【U】: うん。わたし、結構ひねくれてますからね。素直な作家さんだったらやっぱり素直な恋愛ものを描くだろうし、私は結構ひねくれた恋愛ものも描きたいなって思うし、そういうものを描くし。やっぱりそれはひねくれてるからだろうなと思いますけどね。
  「回転銀河」についてもお聞きしたいのですが、ファンのみなさんは終わりなのかなとか、続きはいつ読めるのかなと気になっているようです。
【U】: 「後宮」描きながら「回転銀河」は無理なんじゃないですかね。それはスケジュール的に可能なんですか? 難しいんじゃないですかね。
  「回転銀河」が終わった訳じゃないんですよね。
【U】: ああ、終わった訳じゃないですよ。描きたい話もあるし…。
  へえ。どんな話ですか?
【U】: 今、描きたいなと思うのは、部長(手芸部の)。とりたてていいわけでも悪いわけでもなく、小さな失望と小さな幸せがあるような、そんな部長のささやかな一日とか。
  双子とか、恭子ちゃんと守口のその後とか……はいかがでしょう。
【U】: う〜ん。恭子ちゃんと守口のエロい方向での要望はともだちの栗原まもるちゃんからももらってるんですけどね。初めてまで描いて…みたいな。いろいろと描きたい気持ちはあるんですけど、そんなにボンボンボンボン浮かぶ話でもなく…。「後宮」を描いているうちに自分の中で「回転銀河」の話もできてくるかもしれないですね。自分の中で4話くらいはお話ができてから、また描き始めると思います。
  恭子ちゃんは「ツンデレ」だという話もありますが。
【U】: もう、全然そんなつもりなくて。でも、そう言われてみればそうかも。でも描いている当時はツンデレなんて言葉もなくて、「恭子ちゃんひどい。守口かわいそう」的なファンの意見もあって、「ちょっと待って〜。すぐひっつけるから〜」なんて思いながら描いてたんですけどね。
  恭子ちゃん、もっと守口をじらしてもいいかなっていうところも、確かにあったとは思うんですが……。
【U】: 出たなS。わたし的にももう少しそこら辺を描いてみたいなというのもあったんですが、2ヵ月に1回だと(隔月刊のOmKでのシリーズだったため)、季節が進むのが早くて難しかったんですよね。単行本で読むとそんなことないんだろうけど、やっぱり商業誌でやっている以上は季節感とかいろいろ考えちゃって。あっという間に季節が進んでいくので。そういうことを無視してやっていれば、もっといろいろ描けたかもしれませんけど。いろいろと難しいですね。
  でもまだシリーズが続くというので安心しました。
【U】: 「後宮」の間にとか「後宮」の後に。ということですかね。
  楽しみにしています。長い時間、ありがとうございました。新連載の「後宮」も今後ますます楽しみです。がんばってください。
【U】: はい。応援おねがいします。
   
  年末押し迫った12月29日。わざわざ東京に来ていただいてのインタビューとなりました。年々、じわじわとファン層を広げている海野つなみさん、これからも大注目です!!
フォトギャラリー
写真1
連載が始まる前にと、友達と5年ぶりに海外へ。ハワイ、また行きたいな〜。
写真2
初めてのビジネスクラス! 飛行機もホテルも正規の半額。ネット万歳!
写真3
ハワイのビーチで撮った極楽鳥花。
写真4
初めてのサイン会で頂いたお花。来て下さった方、本当にありがとうございました。
写真5
いつもの朝食はホットケーキミックスで作る豆乳パンケーキ。焼きだめして冷凍。メイプルシロップがなくなって、今は紅茶のジャム。
写真6
リビングの一角が仕事机。家中で一番日当たりのいい部屋を仕事部屋に。
写真7
反対側は電脳コーナー。オレンジのポスターは、風水で結婚運と人間関係が良くなるっていうから…。
写真8
ハワイで買ってきたパンテーン・プロVのリンスインシャンプー。面倒臭がりの私にピッタリなので、日本でも発売して欲しいです。
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